相続税の代理送信において納税者の利用者識別番号が不明な場合の変更等届出書の提出の際に、システム改修等を待たずに対応可能な方策を実施することについて、国税庁から周知依頼がありましたので、お知らせいたします。
1 概要
関与先の納税者の利用者識別番号が不明である場合、「暗証番号等の再発行」を届出の内容とする「電子申告・納税等開始(変更等)届出書」(以下「変更等届出書」といいます。)を提出することとしています。しかしながら、変更等届出書の提出を受けた税務署から納税者に対し、「電子申告・納税等に係る利用者識別番号等の通知書」(以下「通知書」といいます。)を発送するまでには一定の期間を要するほか、税理士の皆様が変更等届出書を提出した場合は、通知書を受領した納税者からの連絡を待たなければならず、速やかな申告手続を行うことができないといった意見が寄せられている状況です。
特に、相続税申告の代理送信に当たっては、全ての相続人等の利用者識別番号を確認する必要があるため、利用者識別番号の把握まで一定の期間を要することで、申告期限に間に合わないことを懸念し、電子申告の普及を妨げる要因になっているほか、事前のダイレクト納付利用届出書の提出が間に合わないといった課題もあります。
これらの課題について、システム改修等を待たずに対応可能な方策として、次の改善策(新たな対応)を実施します。
2 新たな対応(税理士への連絡希望の入力)
相続税申告の代理送信において、納税者の利用者識別番号が不明な場合、税理士の皆様が変更等届出書の「参考事項」欄に「相続税申告の委任有」及び「税理士への連絡希望」と入力の上、当該変更等届出書をe-Taxソフト又は民間ソフト(国税庁の仕様公開に基づき作成された会計ソフト等)を使用して送信することで、税務署又は業務センターから変更等届出書の「税理士等」欄に入力のある電話番号に納税者の利用者識別番号を連絡するよう対応します。
なお、本対応は、変更等届出書に税理士の皆様の電子署名があることを前提としているため、書面又は「e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー」により提出された場合は、本対応の対象外となることに御注意願います。
送信方法等の詳細は、別添「e-Taxソフト開始届出代理送信マニュアル」を御確認ください。
(注)本対応は、上記1に記載した相続税申告における申告期限が間に合わない等を前提とした対応になります。納税者には、過去の申告書の控えや税務署からの郵送物の確認を依頼するなど、申告期限を勘案し、なるべく早期に利用者識別番号の把握に努めていただきますよう、お願いいたします。
【関連情報】
e-Tax ソフト開始届出代理送信マニュアル+相続税の代理送信において納税者の利用者識別番号が不明な場合の対応(令和5年5月 国税庁 資産課税課).pdf
<e-Taxホームページ >
税理士の方向け・e-Tax ソフト開始届出代理送信マニュアル(最新版)
https://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/pdf/cl_kaishi.pdf