インボイス制度について、改めて周知いただきたい点をまとめましたので、内容をご確認いただき、会員の皆様から顧問先の方々へもご周知くださいますようお願いいたします。
１．２割特例を適用できない課税期間及び簡易課税制度選択届出書の提出時期の特例
インボイス制度における小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置（いわゆる「２割特例」）につきましては、例えば、基準期間における課税売上高が１千万円を超える課税期間などは適用を受けることができません。
なお、２割特例の適用を受けた方が、その適用を受けた課税期間の翌課税期間の申告において簡易課税制度の適用を受けようとする場合には、その旨を記載した「消費税簡易課税制度選択届出書」を当該翌課税期間の末日までに提出することで、当該翌課税期間の申告において簡易課税制度の適用を受けることが可能です。例えば、令和６年分の申告において２割特例の適用を受けた個人事業者の方が、令和７年分の申告において簡易課税制度の適用を受けようとする場合には、令和７年12月末日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することが必要となります。
＜参考＞
○ 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するＱ＆Ａ（令和７年６月改訂）
・ 問115（２割特例の適用ができない課税期間①）～問117（２割特例を適用した課税期間後の簡易課税制度の選択）
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-15.pdf
○ 国税庁ホームページ インボイス制度特設サイト
２割特例特設ページ
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_2tokurei.htm
２．適格請求書発行事業者の登録が失効した方の消費税の申告義務及び簡易課税制度選択届出書の提出時期の特例
免税事業者の方が登録に関する経過措置の適用により適格請求書発行事業者の登録を受けた場合、原則として、登録開始日以後２年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間については、「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出し、適格請求書発行事業者の登録が失効したとしても、課税事業者として消費税の申告が必要となります。
また、適格請求書発行事業者の登録が失効した後の課税期間における消費税の申告においては、２割特例の適用を受けることはできません。
なお、２割特例の適用を受けた方が、その適用を受けた課税期間の翌課税期間中に簡易課税制度の適用を受けようとする場合の取扱いは、上記１と同様です。
３．任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書について
インボイス制度においては、任意組合等の組合員である適格請求書発行事業者は、当該任意組合等の事業として国内において行った課税資産の譲渡等につき適格請求書若しくは適格簡易請求書を交付し、又はこれらの書類に記載すべき事項に係る電磁的記録を提供するためには、当該任意組合等の業務を執行する業務執行組合員が、課税資産の譲渡等を行う前に当該業務執行組合員の納税地を所轄する税務署長に「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書」（以下「任意組合等の届出書」といいます。）を提出する必要があります。そのため、当該任意組合等の届出書の提出がない場合、任意組合等から課税仕入れを行った取引の相手方は、仕入税額控除の適用を受けることができません。
また、当該任意組合等の届出書に記載した事項に変更があった場合は、「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出事項の変更届出書」を速やかに提出する必要があります。
こうした届出書の提出方法や適格請求書等の交付に関しては、Ｑ＆Ａにおいて種々の取扱いを示しているところ、今般、任意組合等の届出書に関するリーフレットや動画を作成し、国税庁ＨＰ（インボイス制度特設サイト）において公表いたしましたので、ご確認ください。
（任意組合等の例）
ジョイントベンチャー（ＪＶ）、各種士業事務所、●●製作委員会、▲▲実行委員会など
＜参考＞
【リーフレット】
○ 消費税インボイス制度 任意組合等の届出書についてのお知らせ
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0025009-077.pdf
【動画】
○ ５分でわかる インボイス 任意組合等の対応
https://www.youtube.com/watch?v=e8gA4g4D4jw
